私が1人旅行でみつけたこと

私は大学時代の旅行が趣味でした。
旅行をするためにアルバイト代をためて、長期休暇に海外旅行に一人でよく出かけていました。
海外に出かけるきっかけになったのは、中学3年のときに短期留学したニュージーランドでとても素敵なホストファミリーとの出会いがあり、大学生になってまたその家族に会いに現地まで出かけて行ったことがきっかけとなりました。
未成年大学生の女の子1人のツアーを利用しない個人での海外旅行になりましたので、身の安全を第一に保険にしっかり入り、万一のときに備えるためのセーフティ対策をしっかり用意しました。また国際線の飛行機の乗り継ぎは初めての経験でしたので、荷物の預け直し等の手順の確認の下調べをしっかり行いました。
そのような経験のおかげで無事、現地に到着して安全に帰ってくることができました。また何事も挑戦してみるという行動力もついたのかなと多少ですが自信になりました。
この初めての海外旅行が思いのほか楽しかったのがきっかけとなり、次の長期休暇でもどこか違う国に行ってみたいと思うようになりました。
候補にあがった国はフランスでした。私の父親が仕事の出張でフランスへ出かけていたことがあり、合間の時間にルーブル美術館で本物のモナリザを見てきた、という話を聞いていたからです。私は美術に特別興味があったわけではありませんが、有名な作品を自分もこの目で見てみたいという思いからでした。またヨーロッパには言ったことがなくテレビでしか知らないところをぜひ訪ねてみたいという興味からでした。1人旅行は変わりありませんが、今度はより安全に旅行するために旅行会社が企画しているツアーに参加することにしました。たいていの人は2人で参加される方が多い中、1人での参加はなかなか勇気がいることでした。ですが実際に参加してみると、大学生の女の子1人に親子や新婚旅行とみられる夫婦など、いろいろな方が声をかけてくださりました。また友人同士で参加予定だったある50代い女性についてですが、片方の方が急用で旅行に参加できなくなり、旅行をキャンセルしてもよかったが、せっかく仕事の都合をつけて休みを取ったので思い切って1人で来たんです、という方がいらっしゃいました。私はその方と同じ1人参加者ということで、自由時間や観光するときに自然と一緒にいさせて頂く流れになりました。私は20代の愛知からの参加、その50代女性の方は東京からの参加ということでした。お話をしていく中で旅行が好きでいろいろなところに行っていること、お仕事のこと、住んでいるところのことなど、旅行をしながらでしたが、年齢を越えてさまざまな話題で交流ができました。
旅行の初日は参加者全員が緊張していますが、みなさんで同じ旅行日程を過ごしていく中で参加者同士がだんだんと打ち明けていくのが感じられました。観光地ではお互いに写真を撮り合ったり、同じテーブルで固まって食事をする際にも話をすることが多くなりました。他人同士の団体ですが、日が経つごとに大きな家族のような感覚になっていくのが分かるので、最終日は旅行が終わる悲しさと、参加者がばらばらになってしまうさみしさの両方があります。
私の場合ですが、旅行最終日にこの50代女性の方と連絡先を交換しました。現在その旅行から5年ほど経ちますが、年賀状のやりとりをしています。また2年ほど前にその方が愛知に来られることがあり、その時一度お会いしてお茶をしたことがありました。

ツアー旅行の楽しみは目的とする観光地に行っておいしいものを食べたりできるだけではなく、ツアーで一緒になる参加者の人たちとの出会いもあります。旅行がきっかけで現在でも関係が続いている人と出会うことができました。30年くらい年齢の異なる私にような若者にも分け隔てなく接してくださるその女性との出会いに人生の先輩として見習うものがあったように思います。

何気なく出かけはじめた旅行でしたが、今後の私の人生において何か生かされるものがあるような気がしています。学生のみなさんの中に何をしようか迷っている人がいましたら、ぜひ旅行をお勧めします。
お子さんが海外旅行に出かけたいと言っている親御さん、ぜひ行かせてあげてみてください。